Dinformant
ラヴニカのギルドより《ディミーアの密告者/Dimir Informant》

日本時間5月25日PercsalertことAustin Bursavich氏は自身の配信でウィザーズ・オブ・ザ・コーストに『リーク情報の提供者を開示する協力を得られなかった』として、DCI(紙)、Magic Online、MTGアリーナ(すなわちマジック全般から)の無期限の出場停止及びアカウント凍結処置が行われていたことを明らかにした。

Austin Bursavich氏はGPダラス2019(モダン)優勝などの成績を持つプレイヤーである。

”公平のための告発”

事の始まりは現地時間の5月13日。Bursavich氏は自身のツイッターで『他人から聞いた』という未公開であるはずの次回のプレイヤーズツアーのフォーマットやMTGアリーナで開催されることといった機密情報をツイートしていた。
彼はツイートの中でマジック・プロリーグ(MPL)およびライバルズ・リーグの所属選手達はこれらの情報を5日間以上前に公式から得ていると発言。この情報は一般向けに19日に公開されるため(実際には現地時間20日に正式発表された)情報のアドバンテージ差の公平化を目的として”不正を告発”したと説明している。

新型コロナウイルスの影響で今後の予定が見えなくなってしまった当時のPT資格者からすれば、開催フォーマットに向けての練習や準備といったものが必要なため、大会の情報はとても重要となる。特にMTGアリーナでの大会となると、練習するためのデッキに使用するワイルドカードやデッキパーツとなるカードを集める必要があり、さらにプレイヤーがMacユーザー、などの理由があればWindowsPCを用意する必要がある。(なお公式発表時には今回のプレイヤーズツアーはMTGアリーナのカードがすべて揃ったアカウントが提供されることが発表された。)

そのためMPLのメンバーやライバルズ・リーグといった『公式のプレイヤー』が1日でも早めに大会の情報を知っているということは、他のPT参加プレイヤーと不公平なアドバンテージが開いてしまっている。というのがBursavich氏の見方だ。

公式はリーク情報の提供者を要求

Bursavich氏の配信と公開されたメールのやり取りによると、現地時間5月22日にウィザーズ・オブ・ザ・コーストからツイートに関して連絡があったと明かす。内容としては「ツイートしたリーク情報をどこから得たか教えてほしい」と言ったものだ。 配信ではBursavich氏は情報はMPLでもライバルズ・リーグでもない者から情報を得たと発言し、その者の名前を明かしたとしてもまた別の者へとたらい回しとなり、ただただ不毛な捜索を続けるだけだと言う。

返事には、たとえ契約を結んでいたとしても重要な大会の情報というものは簡単に身内に漏れてしまうものだということ、大本の問題であるそういった不公平なアドバンテージをそもそも『公式のプレイヤー』に渡さないほうが良いのではないかということ、公平な大会への誠実さが欠けていること、などと言った意見を現在のプロプレイの仕組みに対しての不満を混ぜながら情報の提供者の正体は匿名のまま返信した。

ところが、5月24日に返ってきた返事はBursavich氏がDCI、MTGO、MTGAから全面的に出場停止とされたという告知だった。資格停止解除にはリーク元を特定する調査に関連した情報を含んでいなければならないとあり、現在に至る。

コミュニティの反応は

現在英語MTGコミュニティではウィザーズ・オブ・ザ・コーストの対応について様々な議論が上がっている。

Bursavich氏自身もまたMPLのメンバーでもライバルズ・リーグのメンバーでもなく、ウィザーズ・オブ・ザ・コーストとは未公開の情報を公開してはいけないという秘密保持契約は組んでいない。彼が公開したメールによるとあくまで『リーク元を特定することに協力を得られなかった』という点でマジックのプレイ禁止を命じられたこととなる。
どの規約を破っていない者を出場停止にするのは良くない。何かしら情報が抜けている事を願っている。
プレイヤーズ・ツアーやミシックインビテーショナルの賞金の減少やコロナウイルスの影響でプロシーンでの士気が下がってしまっている中発生したこの一件。Esportsの道を進むマジックは今後どうなっていくのだろうか。


【UPDATE 2021/6/17/22:40】

日本時間の6月17日にAustin Bursavich氏は自身のツイッターで『(公式から)メールが届き、調査が終わったことにより出場停止が解除された』事を発表した。彼は応援してきた人たちに感謝の言葉を送り、今週末のPTに参加する予定だという。